「低金利で安心」に見える固定期間選択型。でも実際は、固定期間が終わった瞬間に状況が激変するケースが相次いでいます。 この商品を選ぶべきか・後悔しないためには何を知るべきか、正直に解説します。
最終更新:2026年5月26日
結論:住宅ローンの「〇年固定」、特に10年固定は、固定期間が終わった瞬間に金利が2倍以上に跳ね上がる「11年目問題」を抱えた要注意商品です。借入残高2,000万円超・残期間15年以上なら、放置するだけで総額数百万円の損失が静かに積み上がります。固定期間終了の通知が来たら、まずモゲチェックで現状を入力(無料・5分)して、借り換え効果の有無を数字で確認するのが合理的な第一歩です。
固定期間選択型は「一定期間だけ低金利、その後は変動」のハイブリッド型。低金利のメリットを享受できる代わりに、固定期間が終わった後の金利上昇リスクを背負う商品です。
「〇年固定って実際どうなの?」に答えるには、まず商品の仕組みを正確に理解する必要があります。住宅ローンの金利タイプは大きく3種類——変動金利型・全期間固定型・固定期間選択型。固定期間選択型は名前の通り「一定期間だけ固定、その後は変わる」商品です。
固定期間選択型は、返済開始から一定の期間(3年・5年・10年・15年・20年など)だけ金利が固定され、その期間が終了すると自動的に新しい金利に切り替わる商品です。
当初の固定期間中は低い金利が設定されることが多く、月々の返済額を抑えられるメリットがあります。一方で、固定期間終了後の金利は「その時点の金利環境」と「銀行のルール」によって決まるため、大幅に上昇するリスクがあります。
※上記は概念的なイメージです。実際の金利は銀行・時期・審査条件によって異なります。
全期間固定型(フラット35など)は、借入期間の最初から最後まで同じ金利が適用されます。返済額が変わらないため計画が立てやすいのが特徴ですが、当初金利は固定期間選択型よりも高くなる傾向があります。
一方、固定期間選択型は「とりあえず10年間は低金利で返済したい」という考え方から選ばれることが多い商品です。ただし、10年後の金利がどうなるかは誰にもわからないため、「低金利のうちにできるだけ繰り上げ返済する」という戦略が前提となっています。
※ 2026年5月時点の代表水準。実際の金利は審査・銀行・条件により異なります。
固定期間選択型は「繰り上げ返済で固定期間内に残高を減らせる人」には合理的、「とりあえず低金利で入りたい人」には危険な商品です。特に10年固定は構造的なリスクを抱えるため、選ぶなら計画とセットが必須です。
「固定期間選択型は悪い商品か」というと、一概にそうではありません。使い方と人によっては合理的な選択肢です。ただし、仕組みを知らずに選ぶと後悔しやすい商品でもあります。固定期間別に正直に整理します。
| 種類 | 当初金利の目安 | 固定期間終了後 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| 5年固定 | 0.3〜0.8%台 | 変動または再固定選択 | 当初の金利が最も低い | 5年後のリスクが高い。繰上返済しないと効果薄 |
| 10年固定 | 0.5〜1.2%台 | 2%超になるケースも | 低金利期間が比較的長い | 11年目問題(本記事の主テーマ) |
| 15年固定 | 0.9〜1.5%台 | 変動または再固定選択 | 長期間の安定感と低金利のバランス | 全期間固定より当初金利が高め |
| 20年固定 | 1.2〜1.8%台 | 変動または再固定選択 | 長期の安心感。残期間が短くなってから再考できる | 当初金利が高い。全期間固定との差が小さい |
| 全期間固定 (フラット35等) |
1.8〜2.5%台 | 変わらない(完済まで固定) | 完全に計画できる安心感 | 当初金利が最も高い。低金利恩恵を受けにくい |
11年目問題とは「固定期間中の大幅優遇が、固定期間終了と同時に消える」構造的な落とし穴です。基準金利は変わらなくても、優遇幅が縮小するだけで適用金利は1〜2%跳ね上がります。
基準金利3.0%から▲2.5%の大幅優遇が適用され、低金利で返済が進む。「やっぱり固定にして良かった」と感じる期間。
「固定期間が終了します」という案内が届く。多くの人がそのまま見過ごし、何もしないまま自動更新を待つ。
優遇幅が▲2.5%から▲0.5〜1.0%へ縮小。基準金利が変わらなくても、適用金利は1.5〜2.0%も上がる。月々の返済が数万円増加。
月々2〜3万円の差が25年続けば、総額600万〜900万円の余分な支払い。「気づいたときには手遅れ」が現実に。
2015年以前(ゼロ金利政策が本格化した頃)に10年固定の住宅ローンを組んだ方は、2025〜2026年にかけてちょうど固定期間が終了しています。固定期間終了後、知らない間に金利が2倍以上に跳ね上がっているケースが多数確認されています。
月々の返済額は変わらなくても、元金の減り方が急に遅くなるため、総支払額が大幅に増える構造です。
これは決して珍しい話ではありません。実際に住宅ローンの相談を日常的に受けている専門家も、この問題の深刻さを繰り返し発信しています。
これ、本当に知らない人多いですよね。
— 天王寺谷りょう│代表取締役 (@tennojiya_rise) May 25, 2026
「10年固定=ずっと安心」
と思っていたら、
11年目で金利が一気に上がって、
毎月返済が数万円増えていた…
という相談、実際かなりあります。
住宅ローンは
"借りた瞬間"
より、
定期的に見直すことが大事。
放置コスト、
かなり大きいです。 https://t.co/VTfdMslPCB
「相談、実際かなりあります」——これが現場のリアルです。借りたときは何も問題なかったのに、固定期間が終わった途端に家計が厳しくなる。そしてほとんどの人が「定期的に見直す」という発想を持っていない。放置コストは静かに、確実に積み上がっています。
固定期間選択型の金利構造を理解するには「基準金利」と「優遇幅」の関係を知る必要があります。
多くの銀行では、住宅ローン金利を「基準金利(店頭金利)から一定の金利を差し引いた金利」という形で設定しています。この差し引き幅を「優遇幅」と呼びます。
| 時期 | 基準金利の例 | 優遇幅の例 | 適用金利の例 |
|---|---|---|---|
| 借入当初(1〜10年目) | 3.0% | ▲2.5%(大幅優遇) | 0.5% |
| 固定期間終了後(11年目〜) | 3.0〜3.5% | ▲0.5〜1.0%(縮小) | 2.0〜2.5%以上 |
当初10年間は「当初固定期間中の特別優遇」として大きな割引が適用されます。しかし固定期間終了後は、「通常の優遇幅」しか適用されないケースが多く、結果として適用金利が大幅に上昇します。
さらに2026年現在は金利上昇局面にあるため、「11年目の基準金利自体も上昇している」という二重のダメージを受けているケースがあります。
例えば、2015年に以下の条件で10年固定の住宅ローンを組んだケースを考えてみましょう。
| 条件 | 借入時(2015年) | 11年目(2025年)以降 |
|---|---|---|
| 借入残高の目安 | 3,500万円(35年) | 約2,700万円(残25年) |
| 適用金利 | 0.6% | 2.3%(想定) |
| 月々の返済額(概算) | 約92,000円 | 約118,000円 |
| 月々の差額 | 約26,000円の増加 | |
| このまま25年間払い続けた場合の増加総額(概算) | 約780万円の余分な支払い | |
※上記はあくまでシミュレーション例です。実際の金額は借入条件・銀行の設定・残高等により異なります。
※ 残25年継続なら総額約780万円の差。金利は試算用の例。
※ 概念図。実際の残高推移は金利・条件で異なります。
塩澤氏が「めちゃくちゃ高い金利」「今すぐ借り換えてください」と強調するのは、このような損失が静かに積み重なっているからです。固定期間の終了は銀行から通知が来るものの、なんとなく見過ごしてしまっている方が少なくありません。
固定期間終了後の選択肢は「放置」「同じ銀行で再固定」「他行に借り換え」の3択。最もリスクが高いのは「放置」、最も削減効果が期待できるのは「他行への借り換え」です。
固定期間が終了した後、取れる選択肢は主に3つです。それぞれのメリット・デメリットを正直に解説します。
何もしなければ、銀行が設定した新しい金利(多くの場合、変動または短期固定)で返済が続きます。手続きの手間はゼロですが、金利が大幅に上昇している場合は毎月の返済額が増え、総支払額が跳ね上がります。「とりあえず放置」が最もリスクの高い選択肢になる可能性があります。
現在の銀行に「金利を見直してほしい」と交渉するか、同じ銀行の別の固定商品に切り替える方法です。手続きが比較的シンプルで、抵当権の変更なども不要なケースがあります。ただし、「他行への借り換え」と比べると優遇幅が小さくなる場合があります。また銀行側も「逃げないなら積極的に金利を下げる必要はない」という姿勢を取ることがあるため、交渉力が重要になります。
新しい銀行に乗り換えることで、現在の金利水準で最も有利な条件を獲得できる可能性があります。手続きに手間がかかり(申込・審査・抵当権変更など)、諸費用も発生しますが、金利差が大きい場合は総支払額を大幅に削減できます。モゲチェックでは、複数の金融機関の条件を一度に比較でき、審査通過可能性の高い候補を絞り込んで提示してくれます。
「他行への借り換えを検討している」という姿勢を示すと、銀行側が引き留めのために金利引き下げを提案することがあります。ただし、実際に他行のシミュレーションをしてから交渉に臨むことが重要です。
一般的に「現在の金利との差が0.3%以上、残債1,000万円以上、残り期間10年以上」であれば借り換えを検討する価値があるとされています。
終了後も手続き自体はできますが、通知が来た時点(終了の3〜6ヶ月前が多い)で情報収集を始めるのがベストです。
借り換えには諸費用(手数料・登記費用等)がかかります。「諸費用を差し引いても得か」を必ず確認してから判断しましょう。
固定期間が終わって高金利を払い続けているなら、それはすでに「放置コスト」が発生している状態です。今の金利・残債・残期間を入力するだけで、どれだけ改善できるか即時で確認できます。
▶ 固定期間終了後の方は「借り換えシミュレーション」/ これから組む方は「新規購入シミュレーション」
借り換えの判断目安は「金利差0.3%以上・残債1,000万円以上・残期間10年以上」の3条件。3つとも揃うなら、まずはシミュレーションで効果を数字で確認するのが合理的です。
「借り換えが向いている状況」「向いていない状況」を正直に整理します。一般論として参考にしてください。
| 確認ポイント | 目安の基準 | 理由 |
|---|---|---|
| ①金利差 | 現在金利との差が0.3%以上 | 金利差が小さいと諸費用を回収できない可能性が高い |
| ②残高 | 残債が1,000万円以上 | 残高が少ないと削減額の絶対値が小さくなる |
| ③残り期間 | 返済残期間が10年以上 | 期間が短いと諸費用の回収期間が取れない |
上記3つの条件がすべて揃う場合、モゲチェックでシミュレーションしてみる価値は十分あります。逆に、どれか1つでも大きく外れている場合(残債500万円・残り5年など)は、諸費用が見合わないケースもあります。
「金利が3%になっても返済できるか」がリトマス試験紙。返済可能なら変動、不安なら固定が現実的な選び方です。「正解」より「自分のリスク許容度に合うか」で決めるのが合理的。
「固定期間選択型(または全期間固定)と変動金利、どちらを選ぶべきか」は住宅ローン選びの永遠のテーマです。2026年現在の状況を踏まえて整理します。
最終的には「金利が上がっても生活に支障が出ないか」というリスク許容度で判断するのが合理的です。「もし変動金利が3%になった場合、月々の返済はいくらになるか」を計算したうえで、それでも問題ないなら変動金利、不安なら固定という判断が現実的です。
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固定期間が終了すると、多くの銀行では「その時点の基準金利に一定の上乗せ幅を加えた金利」が自動的に適用されます。この上乗せ幅は当初の優遇幅より小さいケースが多く、結果として金利が大幅に上がるパターンが典型的です。終了の数ヶ月前に銀行から通知が届くのが一般的ですが、見落としているとそのまま高金利での返済が続くことになります。固定期間終了前後は必ず返済残高明細や通知書を確認しましょう。
10年固定の場合、11年目以降の金利は「その時点の基準金利(店頭金利)から再固定時の優遇幅を差し引いた金利」または「変動金利に切り替えた場合の適用金利」となります。当初10年間の優遇幅(例:基準金利3.0%から2.5%引き)に比べ、11年目以降の優遇幅は0.3〜1.0%程度にとどまるケースが多く、金利が2%台以上になる事例も珍しくありません。なお、金利上昇局面では基準金利自体も上昇しているため、二重に不利な状況になりやすいです。
借り換えには事務手数料・抵当権抹消・設定の登記費用・現在の銀行への繰上返済手数料・印紙税などが発生します。総額の目安は50〜100万円程度になることが多いです。金融機関によっては事務手数料を無料または定額(数万円)にしているケースもあります。月々の返済差額が2〜3万円程度あれば、諸費用を3〜5年で回収できる計算になります。モゲチェックでは諸費用を加味したうえでの実質削減額シミュレーションが可能です。
返済履歴に延滞がなく、安定した収入があれば、固定期間終了後でも借り換え審査に通る可能性は十分あります。むしろ「何年も返済を続けてきた実績」がプラスに働くケースもあります。ただし、審査は各金融機関が独自の基準で行うため、必ず通るという保証はありません。モゲチェックでは審査通過可能性の高い金融機関を絞り込んで提示してくれるため、無駄な申込を避け、効率的に候補を比較できます。
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